これまでにも動物園やサファリパークで動物が人を襲う事故が発生しているが、このほどアメリカの水族館でショーの最中にイルカが突然トレーナーを襲った。『New York Post』『WSVN 7 News』などが伝えている。
米フロリダ州にある水族館「マイアミ・シークアリウム（Miami Seaquarium）」で現地時間9日、ショーの最中にトレーナーがイルカに襲われる事故が起きた。当時、ショーを観ていた写真家のシャノン・カーペンターさん（Shannon Carpenter）が動画を撮影し、その映像は多くのメディアによって公開された。
動画には、水中を泳いでいたトレーナーに向かっていきなりイルカが体当たりし、その勢いで大きな水しぶきが上がる様子が捉えられていた。その後もトレーナーは何度かイルカに攻撃されているように見える。撮影したシャノンさんはメディアのインタビューに応じ、このように語った。
「水面下でイルカに突き飛ばされて、トレーナーは足掻いているようでした。もう1人のサーフボードに乗った女性トレーナーは急いでパドリングしてドック（陸）に上がり、襲われたトレーナーも泳いでドックに上がりましたが、それまでにイルカに数回体当たりされているように見えました。」
シャノンさんによるとイルカがトレーナーを襲ったのは、ショーが始まってから10～15分ほど経った頃だという。この日は土曜日ということもあり多くの観客がショーを観ていたが、大人はその異変に気づいたもののほとんどの子供たちはこれがショーのパフォーマンスの一部だと思っていたようだ。
地元のテレビ局『WPLG Local 10』によると、トレーナーはこの事故の後、救急車で病院に搬送されたという。また同水族館では、イルカの攻撃についてこのように声明を発表した。
「4月9日に開催された『ドルフィン・フリッパー・ショー（Dolphin Flipper Show）』では、トレーニング通りのパフォーマンスを実演していたところ、トレーナーがイルカの“サンダンス（Sundance）”を誤って手で引っ掻いてしまったようです。この時、サンダンスは痛みを感じたことでショーのことを忘れ、トレーナーを突き飛ばしてしまったのです。現在はサンダンスもトレーナーも順調に回復しています。」
同水族館はイルカによるトレーナーへの攻撃について「今回が初めてだった」と明かしているが、『New York Post』によると、同水族館は昨年6月に米国農務省（USDA）の調査により動物愛護の観点から多くの違反があると指摘され、17ページにも及ぶ報告書が発行されたという。報告書には、同水族館が動物に腐った魚を与えていたり、動物の福祉を無視した行動があったという内容も含まれていたそうだ。
画像は『SCPhoto_KY 2022年4月9日付TikTok「A dolphin trainer was just attacked by Flipper.」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 MasumiMaher）
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